卒業生は今…~台湾で働く卒業生のインタビュー~

2019年6月26日 ニュース

卒業生は今~台湾で働く卒業生のインタビュー~

5年前に福岡から台湾に家族と移住し、インテリア関連の制作管理・家具メーカーの製品開発を行っている田中秀和さん。

(日本デザイナー学院 2003年・雑貨デザイン科卒業)

▲左上が田中秀和さん・台湾のスタッフと撮影。3年ほど前に上海の家具展示会に出展したとき

 

Q1.現在の仕事内容を教えてください。

弊社は公共用椅子をメインとした家具メーカーです。スタジアム、映画館、劇場、講堂、講義室などの固定椅子を多く制作しています。学校やオフィスで使用する単品椅子も作っていますよ。これらのほとんどはOEMと言って、顧客から提供された図面を基に生産するものです。OEM、ODM(顧客からの依頼で設計・生産)以外にも自社ブランド製品を売りたいという前社長の意向で自主開発ができる開発部が立ち上げられました。現在、私はこの会社の開発部に所属し、デザイン、設計、量産立ち上げ管理をしています。

納入先の割合としては日本80%、台湾15%、その他(ヨーロッパ、オーストラリアなど)が5%くらいです。

台湾のこの会社に来たのは、福岡で知り合った方が、この会社で働いていて、日本向け製品の製造がほとんどのため、日本人スタッフがもっと必要だということで声がかかりました。

△海外の家具展示会の視察にも行きます(写真はシカゴの展示会)

Q2.ニチデを卒業後のキャリアを教えてください。

ニチデ卒業後は福岡市のプロダクトデザイン会社に約8年、福岡県朝倉市の木工家具メーカーで職人として約3年間働きました。その後、この会社に来てもうすぐ5年になりますね。

△開発過程のサンプル製作時は工場内で現地ワーカーと一緒に作ります。デスクワークだけではなく、製造過程を自分の手で確かめ理解することで良いモノづくりができます。

Q3. 海外での生活はいかがですか?

とても充実しています。休日は愛車で山に行き野営をしたり、最近はこちらの友人に誘われてロードバイクとトレイルランニングも始めました。今は家族(妻、娘二人)もこちらに移り住み、それぞれの友達もでき台湾を満喫しています。もちろん言葉や文化の違いで困ることもありますが、たいしたことではないです。台湾人は困っているひとを見ると親身になって助けてくれる方が多いので、困ったことがあっても良い思い出になることが多いです。漢字圏なので話せなくても文字を見れば何となくわかるし、福岡からだと飛行機で2時間弱、日本人が海外で仕事するのにベストな環境のひとつだと思います。

△林道キャンプで朝イチのコーヒーが最高!!

Q4.言葉はどうしていますか?

こちらは基本的には北京語ですが、勉強はしていません。日本の顧客が多いこともあり、社内には日本語を話せるスタッフが多数いるので助かっています。とは言っても、ちょっとしたことでスタッフを呼ぶのは申し訳なく、少しずつですが北京語も喋れるようになってきて一人で外注さんの工場に行ったりもします。マクドナルドのドライブスルーをひとりで通れるようになったときは嬉しかったですね(笑)。

英語を話せる方とは英語での会話もあります。日本語、英語、北京語が混ざった会話になることも多々あります。あと、こちらの言葉で興味深いのが、日本統治時代の影響か、製造業では「調整」「アソビ」「工程」などの日本語単語が使われています。話せなくても図面やスケッチで伝えられるというのも今の仕事の特徴です。

Q5.移住する不安などはありませんでしたか?

特に不安ということはありませんでした。良くも悪くも楽観的な性格だと自分でも思います。

Q6学生時代に海外で仕事をしたいと感じていましたか?

特に強く思っていたわけではありませんが、高校時代に留学させてもらっていたので、少しだけ意識はしていました。でも結婚が23歳と早かったのもあり、直前までは海外に行こうという気持ちは全く無かったです。台湾で仕事ができると決まったときには少しだけ親に恩返しできたかなと思いましたね。

Q7.海外で働くことの魅力、台湾に移住して良かったこと。

やっぱり日本を外から見られることと、色んな文化に触れられることです。台湾は九州くらいの小さな島ですが、原住民文化、中国大陸文化、そしてオランダ統治時代、日本統治時代などがあり様々な側面を感じられるところです。

ずっと海外旅行している気分でいようと思っているので毎日が楽しいです。だから北京語を勉強しないってこっちの友達に言ったら、勉強したくないだけでしょって言われましたけど…。

△知らない土地を訪れたときに出会う雰囲気の良い路地も台湾生活の楽しみのひとつです。

Q8.学生時代の思い出

ニチデ時代は宿題が多かったけど、小中高のときと違って好きなことばかりだったので、大変なりにも楽しかったという思い出です。デッサンは最後まで苦手でした。今でも自分のスケッチを見て嫌な気分になることがあるので、もっと頑張っておけばよかったと思います。

Q9学生、入学を希望されている方へのメッセージ

ありきたりですが、人生は出会いだと思っています。台湾で仕事をしているのも元を辿ればニチデの先生との出会いがあってのことです。今のところ私は幸せな人生を送れていると思います。これは結果論でしかないので、今から進路を決める皆さんにはその時に自分自身が良いと思う方向に正直に進んでくださいと言いたいです。進路先がニチデだとしても、そうじゃなくても何かを一生懸命やってください。辛いことも楽しいことも多くを経験した人間のほうが魅力的だと私は思います。

田中さん、ありがとうございました。今後も益々の活躍を心より。

日本デザイナー学院の卒業生たちは、国内だけではなく、海外で活躍しています。

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